症例報告:上原 康嗣(鍼灸師)2020.7
jitsurei 43歳・女性・第1子不妊 鍼灸開始4ヵ月で新鮮胚移植からの妊娠!


>>不妊治療状況と来店動機

採卵2回(ICSI)し、トータル9個採れて7個初期胚凍結でき移殖したものの一度も陽性反応が出なかった。体質改善をする必要があるのではないかと思い鍼灸へ来院。

生理状況

生理周期28日前後、色はやや暗い、生理痛は重い、血の塊はない、生理の出血は3日間でほぼ終了、PMSで胸が張りやすい、病院でのホルモン検査は年齢相応。

パートナーの状況(男性不妊)漢方・鍼灸の有無

検査値は少し低めだが大きな問題は無い。鍼灸治療無し。


>>婦人科以外の随伴症状・病歴

痩せ型で冷え性、足がむくみやすい、睡眠が浅い、夢を見やすい、日中眠い、腹直筋の緊張が強い、寝汗。

生活歴

専業主婦。運動習慣がない。


>>中医弁証と鍼灸三焦調整法所見

・脈診 弦細
・舌診 舌淡苔白、薄苔
・腹診 腹直筋が硬い
・弁証:気陰両虚、肝鬱
・治療原則:補気補陰、疏肝解鬱
年齢に伴う陰虚傾向が進む中で、病院治療でホルモン剤使用が続いていたことにより更に陰分が消耗され陰虚が進んでいった。また、無意識に緊張感があるため、頭皮と腹直筋、経絡の心包系の緊張が強く出ており上焦へ熱が上がっている。その分中焦・下焦の血流低下がみられる。


上焦所見と経過

・頭皮は緊張し片頭痛もあり、胸鎖乳突筋が硬く緊張状態が上焦を詰まらせているが、本人の自覚的な緊張感は少ない。
・上焦を緩め、体全体の緊張をとることで腹直筋の硬さもとれてきた。

中焦所見と経過

・胃腸が強くないため食欲はあまりなく、食事の絶対量が少ない為身体を作る材料が足りていない。
・緊張に伴い交感神経が優位に働くため胃腸の働きを阻害していたが、腹直筋の緊張が取れるに従い胃腸の働きも徐々に回復。
・食養生についても指導。

下焦所見と経過

・骨盤から下の血流が悪い為冷えと浮腫みが出ていた。
・三焦の流れがととのい全身の血流が改善してくると共に浮腫みも減少。
・運動指導も行う。

鍼灸三焦調整法の治療方針

・自律神経のバランスとして交感神経が優位になっており上焦が詰まっている状態。上焦のつまりをとることで三焦全体の流れを作り骨盤内への血流を回復させる。
・陰分が少ないと卵子の質が低下しやすく上焦も詰まりやすくなるため陰分を補う治療を行った。


>>結果・総論

通院ペース:週1ペースを基本として養卵鍼と着床鍼を調整
通院期間:4ヵ月
初診時から1か月後に採卵(9個採れて7個凍結)。凍結した初期胚を移植し妊娠。
現在は安胎で通院中。


>>漢方服用の有無

誠心堂薬局にて漢方煎じ薬服用。