症例報告:小宮 悠輝(鍼灸師)2020.2
jitsurei 30代後半・女性・第1子不妊 体外受精をせずに鍼灸三焦調整法で自然妊娠できた


>>不妊治療状況と来店動機

妊娠希望して1年経つが妊娠に至らず。不妊クリニックで相談したところ、子宮内膜症(チョコレート嚢腫の疑い)、排卵障害などもあり体外受精を勧められた。卵胞が50ミリになっても排卵できない。
自然妊娠希望のため当院のセミナーに参加し、漢方と鍼灸の治療を希望したため来院。

生理状況

生理周期26~40日と生理不順。生理量は少ない。生理痛は重い。PMS症状はイライラ、胸の張り、食欲増進、下腹部痛あり。

パートナーの状況(男性不妊)漢方・鍼灸の有無

30代半ば。不妊クリニックで精子検査したところ、精子の頭が陥没していると言われた。


>>婦人科以外の随伴症状・病歴

冷え(下半身・お腹・お尻)、イライラする、頭痛、首肩こり、むくみ、腰痛。 20代の時、精神安定剤服用経験あり。

生活歴

運動はしていない。甘いものが好き。


>>中医弁証と鍼灸三焦調整法所見

・脈診 右細脈 左渋脈
・舌診 舌淡、やや暗、歯苔あり、舌下怒張あり
・腹診 上腹と小腹が硬い
・弁証:脾腎両虚、肝鬱気滞
・治療原則:益脾補腎、疎肝理気
上焦に緊張や興奮がある。中焦と下焦にある臓器の脾と腎が虚している。同時に中焦の肝が虚と実の状態で詰まり生じている。結果、子宮に栄養のある血液が行きづらくなっていると考えられる。


上焦所見と経過

・頭部は熱がなく、むくみがある。全身が硬く、特に首肩のこりを本人も自覚している。全身の血流が悪く、多くの不定愁訴が出ている。そのため、脳の下垂体の働きが乱れ、女性ホルモン(FSH、LH)の分泌も悪いと考えられる。
・鍼灸三焦調整をすることで、首肩こりは減少し、頭がスッキリするようになった。

中焦所見と経過

・腹診をすると全体的に体格が良く、硬さがある。特に上腹が硬い。ストレスなどにより自律神経が乱れ腹部への血流が悪くなり硬くなっている。
・背部は全体的にガッチリ硬く背部兪穴は心兪、膈兪に硬結ある。背中はストレスや不安等で交感神経の影響をうけ硬くなったと考えられる。
・鍼灸三焦調整することで腹部が柔らかくなってきた。イライラや落ち込みも減少した。

下焦所見と経過

・腹診をすると下腹部が硬く力がない。
・下半身は冷えていて浮腫んでいる。特にふくらはぎは浮腫んで硬い。腰痛もあり腰部は冷えている。第2の心臓であるふくらはぎが浮腫むことで、静脈血の鬱血を認められることから、心臓まで十分に戻しきれていないと考える。冷えにより、血が足の末梢まで届いていない。下腹が硬く、腰は冷えていて腎が弱っていると考えられる。そのため排卵するときに卵巣に必要な血流が届いていないと考えられる。
・鍼灸三焦調整後に排卵できるようになった。


鍼灸三焦調整法の治療方針

・下焦にある子宮や卵巣に安定してホルモンや栄養のある血液を送る必要がある。頭や首に鍼をして耳にお灸をすることで、脳への血流を促進して副交感神経を優位にさせ、リラックス効果を狙い、下垂体からの女性ホルモンの分泌も促すようにする。
・下垂体や卵巣を栄養する血管は細く血流が障害されやすいため、上焦と下焦にしっかり刺激をする。
・腹部の下側に子宮・卵巣があるため、鍼やお灸、パルスで刺激し血流を促す。
・仙骨に鍼とお灸、パルスをして陰部神経や骨盤内臓神経を刺激し、子宮動脈や卵巣動脈の血流を促していく。



>>結果・総論

通院ペース:生理1周期に4~5回来院
通院期間:2カ月半
・鍼灸三焦調整法を低温期に2~3回、高温期2回のペースで行い、2か月半後に妊娠、心拍を確認した。
・生理後、14日前後でしっかり排卵できるようになった。
・鍼灸三焦調整法をすることで、自律神経のバランスも整い、子宮や卵巣までホルモンや血液がスムーズにいくようになり妊娠したと考えられる。


>>漢方服用の有無

誠心堂薬局にて漢方煎じ薬、誠心堂オリジナル漢方サプリメント亀鹿二仙丸服用。