生理不順

女性の心と身体の健康状態は、生理の状態に現れます。特に生理周期はデリケートで、ストレスや睡眠不足など日常生活の変化の影響が現れやすいものです。生理不順は心身の不調を知るバロメーターと考え、きちんと対処することが大切です。



生理不順とは?

生理不順とは、生理周期や日数が不規則なことをいい、他にも経血量が極端に少ない、もしくは多いといった状態も含まれます。女性なら誰でも経験するものと軽く考えてしまいがちですが、月経周期の乱れは体内のさまざまな不調によって表れることが多くあります。



生理不順の原因

原因の多くは、生理をコントロールしている女性ホルモンのバランスの乱れによるものです。生理は、卵胞ホルモンや黄体ホルモンといった女性ホルモンによってコントロールされ、脳の視床下部・脳下垂体・卵巣の3つの器官が正常に機能することで分泌されます。生理不順が起きている身体には、これらの器官のうちのいずれかで異常が起きて、ホルモンバランスが崩れていることが考えられるのです。

ホルモンバランスが乱れる原因としては以下のようなものが考えられます。
無理なダイエットによる栄養不足
過度のストレス
運動のしすぎ
太りすぎ
睡眠不足 など



中医学で考える生理不順

正常な生理周期は25~38日です。一時期な周期の乱れは問題ありませんが、基本の28日より7日以上早まる(周期が早い「月経先期」)、または7日以上遅れる(周期が遅い「月経後期」)、遅かったり早かったり安定しない(周期が不安定な「月経前後不定期」)、といった状態が3回以上続く場合は生理不順と考えましょう。

生理の量が多すぎる、少なすぎるといった状態も生理不順の一つです。正常とされる経血量は、1回の月経で50〜100cc程度(日数は5〜7日)。一般的には2〜3日目に量が多く、4日目以降は少なくなります。また、年齢的に見ると、初潮を迎えた頃の経血は少なく、身体の成熟とともに量も十分になり、その後は40歳を過ぎる頃から減っていく傾向にあります。 個人差はありますが、こうした正常範囲の目安、年齢的な変化などを大きく超えて量が多い・少ないといった場合は、生理に異常があると考えてしっかり対処しましょう。

月経先期
生理周期が早くなる「月経先期」※21日以下の月経周期が3回以上続くタイプ。
生理が早くなるときは、卵胞の育つ期間が短く、卵子が成熟せずに排卵されたり、無排卵になったり、ダラダラと出血が続く不正出血の症状が現れることもあります。

気虚(ききょ)
生理の状態:生理量が多い、生理の血がサラサラで色が薄い、生理痛は4~7日目くらいにシクシク痛む、不正出血 など。
随伴症状:疲労感、顔色が悪い、めまい、食欲不振、軟便、お腹の張り、冷え など。
「気」(エネルギー)には、「血(けつ)」や「水分」を体内に留めておく働きがあります。そのため、気が不足するとその力が足りず、生理が早く来てしまう原因になります。気を生む源となる「脾胃(ひい)」(胃腸)を元気にして、気をしっかり養うよう心がけましょう。
おすすめのツボ:足三里(あしさんり)合谷(ごうこく)脾兪(ひゆ)など。
おすすめの食材:豆腐、湯葉などの大豆製品、卵、いんげん豆、山芋など。

実熱・虚熱(じつねつ・きょねつ)
生理の状態:生理に粘りがあり、色が濃い など。
随伴症状:のぼせ、ほてり、イライラ、口の渇き、尿が黄色、便秘 など。
体内の「熱」は血流を速くするため、余分な熱がこもると血が急激に動いて生理が早まる原因となります。過剰なストレス、辛いものや脂っこいもの、アルコールの摂り過ぎは熱を生む要因になるので気をつけましょう。思春期や更年期にも多いタイプです。
おすすめのツボ:百会(ひゃくえ)行間(こうかん)、復溜(ふくりゅう)など。
おすすめの食材:苦瓜、冬瓜、きゅうり、たけのこ、れんこん、くちなしの実など。

月経後期
生理周期が遅くなる「月経後期」 ※35日以上の月経周期が3回以上続くタイプ。
生理が遅くなるときは、卵胞の成熟に時間がかかり卵子の育ちが悪く、無排卵になっている可能性が高くなります。そのままにしておくと、無月経や不妊症につながることも。

血虚(けっきょ)
生理の状態:生理の量が少ない、サラサラで色が薄い、生理痛は4~7日目くらいにシクシク痛む など。
随伴症状:顔色が蒼白、めまい、眼精疲労、動悸、不眠、脱毛 など。
生理の基本となる血(けつ)が不足すると、卵胞が成熟するまでに時間がかかるため周期が長くなってしまう原因に。栄養をしっかり摂って、血を十分に養うよう心がけましょう。また、虚弱体質の場合も多いので、血と一緒に「気」を養うことも大切。過度なダイエットにも要注意です。
おすすめのツボ:三陰交(さんいんこう)足三里(あしさんり)、気海(きかい)など。
おすすめのツボ:なつめ、黒ごま、うなぎ、レバー、クコの実、ほうれん草、黒糖など。

血瘀(けつお)
生理の状態:生理の色が黒っぽい、塊が多い、生理痛や排卵痛 など。
随伴症状:顔色のくすみ、頭痛、肩こり、強い冷え、手足のしびれ など。
身体が冷えて血の流れが滞ると、生理の遅れにもつながってしまいます。冷えは子宮や卵巣の働きを低下させる原因にもなるため、冷房や冷たい飲食物の摂り過ぎには要注意。体内の冷えを取り除き、日頃から身体を温める食生活や服装を心がけましょう。
おすすめのツボ:三陰交(さんいんこう)血海(けっかい)、帰来(きらい)など。
おすすめのツボ:紅花、よもぎ、シナモン、黒糖、しょうが、ねぎ、玉ねぎなど。

月経前後不定期
生理周期が不安定な「月経前後不定期」※周期が早かったり遅かったり、不安定な状態が3回以上続くタイプ。排卵障害を起こしていること可能性もあります。また、生理だと思っていても不正出血の場合があるので、気になる人は早めに病院の受診をおすすめします。

気滞(きたい)
生理の状態:生理の量が不安定、生理痛、生理前の胸の張りや痛み、PMS など。
随伴症状:頭痛、肩こり、怒りっぽい、ため息が多い、緊張しやすい など。
血(けつ)を貯蔵して血流を調節する「肝(かん)」という臓は、生理と密接な関係があります。肝はストレスに弱いため、過剰なストレスを受けるとその働きが低下し、生理周期が乱れてしまうのです。日常のストレスはこまめに発散して、肝の機能を健やかに保つよう心がけましょう。
おすすめのツボ:太衝(たいしょう)内関(ないかん)合谷(ごうこく)など。
おすすめの食材:ミント、ジャスミン、菊花茶、黒きくらげ、三つ葉など。

腎虚(じんきょ)
生理の状態:生理がサラサラで色が薄い、生理の量が少ない、無排卵 など。
随伴症状:腰痛、足腰がだるい、めまい、物忘れ、耳鳴り、頻尿、白髪 など。
生命エネルギーの源「精(せい)」を蓄え、生殖を司る「腎(じん)」は、生理や排卵と深い関わりがあります。そのため、精が不足して腎の機能が低下すると、排卵を促す力が弱くなり生理周期が乱れる原因に。積極的に腎の働きを高め、生理の周期を整えていきましょう。
おすすめのツボ:腎兪(じんゆ)関元(かんげん)太谿(たいけい)など。
おすすめの食材:黒豆、くるみ、なまこ、山芋、もち米、羊肉、エビなど。



 暮らしのアドバイス

ダイエットは無理のない範囲で行う
過度のカロリー制限や糖質制限、食事を抜いてみたり特定の食材だけを食べることは控えましょう。
3食しっかり食べる
ホルモンバランスを整えるためにも、朝昼晩の3食をきちんと食べましょう。
ストレスをためない工夫を
ホルモンバランスが乱れる大きな原因はストレスです。自分なりのストレス解消法を身に着け、十分に睡眠をとるように心がけましょう。